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2012年麗水(韓国)国際博覧会レポート

レポート 2012.08.30 Thu

img_yeosu2012_012012麗水世界博覧会の範囲を海洋(Ocean)と沿岸(Coast)に限定し、「資源の多様性(Diversityfesources)」と「持続可能な活動(Sustainableactivities)」の概念を加味して、明確なテーマを掲げている。

海洋汚染の深刻化、海洋生態系の破壊、海面の上昇など、海洋に関する問題は特定の国家だけのものではない。
2012麗水博覧会ではこの点を鑑み、海と沿岸に関する人類共通の課題への対策を模索するという考えに基づいて、テーマを「生きている海、息づく沿岸」とした

2012麗水世界博覧会のテーマは、人類が特定の分野で成し遂げた成果を展示する認定博覧会の趣旨に適っている。会期は5月12日から8月12日まで海岸に面した約25Haの会場が使われた。93日間の会期中に820万人が訪れた。テーマ館は、世界初の海上に建設された展示館という触れ込みで、それ自体が壮観な建築物で、海側から見るとまるで沿岸の小さな島のようで、陸側から見ると巨大なマッコウクジラが水面に顔を出しているように見える。まさに「生きている海、息づく沿岸」というテーマを表現している。

入場ゲートのすぐ先には200mを超える長さのLEDパネルが天井に設置されている。来場者の撮影した写真はその場で(無線LAN)アップされ、大画面を泳ぐ巨大なクジラの構成要素となる。


各国、各企業の出展は映像中心である。サムソンは床面での映像とライブパフォーマンスの演出。エッジブレンディングによる大画面は下りの回廊から覗き込む鑑賞形式をとっている。LGは自社の高精細モニターをシーリングで見せる。発色の差が出る人物や花を積極的にモチーフとして取り入れたコンテンツを流している。ロッテはフルCGによるサークルビジョン。気球にのって大空の旅を・・・かつて1900年にグリモワン・サンソンが実現した気球の旅の現代版である。中小都市の出展もおよそ映像展示を行っており、各出展者のメッセージはすべて映像に負うところが大きい。アメリカ館は、一見してパノラマスクリーンだが、約20cm角のタイル状の小スクリーンの集合体で、映像はこれを単位にプロジェクションマッピングされている。


屋外展示の目玉はBig-Oと名付けられた巨大なリング状のオブジェである。夜間は水や炎を吹き出した状態で映像が投影され、海の物語をライブと合わせて展開する。毎晩の上演で人気アトラクションとなった。

日本館は東北大震災から間もないこともあり、主展示では悲惨な震災とその意欲的な復興を展示にも色濃く反映している。「おまつりの場」にしてはいささか重たい表現である。前室ではプロジェクションマッピングの手法を使って日本の海のさまざまな表情を映像化しており、主展示並みに力の入った印象をもつ。

>>2012 麗水世界博覧会 公式ホームページ