語彙が豊富な人とは、ことばによる表現のバリエーションが多く、ことばの選択肢をたくさん持っている人のことでしょう。たとえばワインのソムリエは香りや味に関してことばを尽くして表現します。小説家も詩人も作詞家も、ことばを拠り所にして勝負します。では映像制作にかかわる者は、はたして映像表現に関する「映像言語」を引き出しにたくさん持っているのか・・・・。私は映像の豊富な表現力を総称して「ビジュアル・ボキャブラリー Visual Vocabulary」とよんでいます。「ビジュアル・ボキャブラリー」が豊かだと評される人の映像作品はどんなものがあるでしょう。サイレント映画の時代にあらゆる表現を試みたといわれる、アベル・ガンス監督の作品、たとえば『鉄路の白薔薇(1923)』、『ナポレオン(1927)』などはそれに該当しそうですね。
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- ビジュアル・ボキャブラリー Visual Vocabulary